乾燥肌・手荒れ
なぜ乾燥肌になるの?
皮膚の最外層にある角層は、外界からの異物侵入を防ぐバリア機能を担うと共に、内部の水分の蒸発を防いでいます。
角層は、角質細胞と細胞間脂質で構成され、角層の表面には皮脂膜が覆っています。
角層の水分保持には、
- 角質細胞内の天然保湿因子
- 細胞間脂質(セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸など)
- 皮脂膜
が役割を担っています。
角層の水分が少なくなると、角層の柔軟性が失われ、バリア機能が弱くなります。その結果、内部の水分が蒸発し、乾燥肌(皮脂欠乏症)を引き起こします。
乾燥肌はかゆみを生じ、掻くことでバリア機能が更に乱れると、外界からの細菌、ホコリなどの刺激を受けやすくなり、湿疹や皮膚感染症などの二次的な肌トラブルを起こしてしまいます。
角層の水分を保つ(保湿)ことが、肌トラブルの予防に大切です。
乾燥肌の原因
以下のような要因が乾燥肌を引き起こします。
・生理的要因
加齢(皮脂・天然保湿因子・汗の減少)
小児(角層の厚みが薄い、バリア機能が大人より未熟で脆弱)
・外的要因
低湿度、低温、紫外線
入浴時の洗いすぎ・擦りすぎ、熱すぎるお湯
・内的要因
アトピー性皮膚炎 糖尿病 薬剤性
ストレス、不規則な生活
治療
- 刺激を与えすぎない
- 適度な気温・湿度
- 保湿剤
- かゆみ対策
- 紫外線対策
- 刺激を与えすぎない
入浴時のゴシゴシ洗いは避け、泡立てた石鹸で、極力摩擦を減らすように洗いましょう。
タオルで拭く際も押さえる様にして、摩擦を減らすように水気を拭き取ります。 - 適度な気温・湿度
冬は湿度が下がりますし、夏でも冷房の効いた室内は湿度が低下するので注意が必要です。加湿器や濡れタオルを干して湿度を保ちましょう。
- 保湿剤
保湿剤には、湿潤剤 (humectant)と閉塞剤 (occlusive)があります。
湿潤剤:吸湿性の物質で、角層に水分吸収をさせます。
閉塞剤:角層表面に油脂膜を形成することで水分蒸発を防ぎます。当院では、症状に応じた保湿剤をご提案させていただくと共に、数種類の保湿剤をお試ししてご希望の保湿剤を選んでいただけます。
- かゆみ対策
乾燥肌は、抗アレルギー薬が効きにくいこともあります。症状に応じて漢方薬の飲み薬やステロイドの塗り薬をご提案させていただきます。
- 紫外線対策
全てのお肌のトラブルに紫外線対策は大切です。
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